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退職金

退職する社員から、退職金を退職日から7日以内に支払ってほしいと言われました。当社の退職金規程では退職日から30日以内に支払うと定めています。この場合でも、労働者から要求があった場合には7日以内に退職金を支給しなければなりませんか。

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更新日:2021.07.29

ご質問

当社では、一定期間継続勤務した労働者に退職金規程により退職金を支給しています。会社を月末に退職する社員から、退職金を退職日から7日以内に支払ってほしいと言われました。当社の退職金規程では退職日から30日以内に支払うと定めています。この場合でも、労働者から要求があった場合には7日以内に退職金を支給しなければなりませんか。



回答:

 退職金の支給は、退職金規程に定められた30日以内に支払えば問題ありません。


 「退職手当は、通常の賃金とは異なり、あらかじめ就業規則等で定められた支払時期に支払えば足りるものである」との行政通達があります(昭26.12.27基収5483.昭63.3.14基発150)。ここでいう「通常の賃金」とは、退職金以外の月給、日給、時給や手当など労働の対償として使用者が労働者に毎月支払うものをいいます。この「通常の賃金」にあたるものは、退職した場合に労働者から請求があったときは原則として7日以内に支払わなければなりません(労働基準法23条1項)。


 これに対し退職金は、多くの場合には一時金で全額一度に支払うものですので、毎月支払う通常の賃金とは性格を異なります。また、退職金は、毎月支払う給料に比べて多額となることもあり、そうした金銭を短日数で準備できるかとの問題もあります。そのため、行政解釈においても、こうした退職金の特別な性格を勘案して、労働者からの請求があったとしても就業規則や退職金規程で定める支払時期に支払えばよいとされているものと思われます。

 なお、退職金制度を設ける場合には、就業規則等に退職金制度の適用される労働者の範囲、退職金の決定、計算及び支払の方法、支払の時期に関する事項を定める必要があります(同法89条3の2項)。

 ご相談のケースでは、退職金規程に退職日から30日以内に支払うとの規定がありますので、労働者から7日以内に支払ってほしいとの請求があっても、退職金規程に定めた30日以内に支払えば問題ありません。

退職金に関する労務等、いつでもお気軽にご相談ください。

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