勤務成績がよくない社員がいた場合、30日前に解雇予告をしてこの30日間に勤務態度が改善されれば解雇予告はなかったものとして、そのまま勤務を継続させることはできますか。
更新日:2021.01.08
ご質問:
勤務成績がよくない社員がいた場合、30日前に解雇予告をしてこの30日間に勤務態度が改善されれば解雇予告はなかったものとして、そのまま勤務を継続させることはできますか。
回答:
労働者を解雇する場合には、少なくとも30日前に解雇を予告するか、30日分以上の平均賃金を支払う必要があります(労働基準法20条1項)。勤務態度が改善されることを条件とした解雇予告は、適法な解雇予告とは認められません。
解雇予告は、労働者が生活に困らないようにために次の職場を探す時間的余裕を与える制度です。このような条件付きの解雇予告が認められると、その予告を受けた労働者はまじめに勤務すれば解雇されないとの期待をもつことになります。解雇予告期間中に新しい職場を探すことをせず、新職場が決定しないまま予告期間が満了して解雇となる可能性があります。反対に予告を受けたので新しい職場を見つけたが、解雇予告がなかったものとして引き続き勤務することを要求される可能性もあります。勤務成績の良否は使用者が一方的に判断し決定できるので、解雇予告を受けた労働者は解雇されるかどうか不確実であるため、不安定な状態におかれ解雇予告の意味がなくなります。
したがって、このような条件付きの予告は適法な解雇予告とは認められません。
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