試用期間を延長することは可能でしょうか。
更新日:2025.06.05
ご質問:
当社は、試用期間を3か月と定めて、中途採用で従業員を雇い入れました。
入社時には、業界での勤務経験があるとのことだったのですが、いざ働いてみると、本当に業界での勤務経験があるといえるか疑問が生じています。
就業規則に試用期間の延長の規定があるので、能力を見極めるため、試用期間を延長したいのですが、可能でしょうか。
結論:
延長を必要とする合理的事由があれば、試用期間を延長できます。
解説:
試用期間は、実は労働契約法や労働基準法で定められているものではありません。また、判例や裁判例でも、一義的には解されていません。ただし、判例では、具体的な事案を踏まえてではあるものの「解約権留保付労働契約」であると解したものがあります(神戸弘陵学園事件・最三小判平2・6・5民集44巻4号668頁)。
「解約権留保付」とは、使用者が一般的な解雇よりも広い範囲で、労働者の本採用を拒否できることを意味します。
そのため、試用期間は、労働者が不安定な地位に置かれることになるので、これを延長する場合は、合理的な事由がなければならないと判断したものがあります(大阪高判昭45・7・10労民集21巻4号1149頁)。
なお、就業規則等に定めがない場合は、従業員との間で合意があったとしても、試用期間の延長が無効であると判断される可能性があります(労働基準法第93条、労働契約法第12条)。

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