在宅勤務中に怪我をした従業員に労災保険は適用されるのですか。
更新日:2020.05.22
ご質問:
従業員が在宅勤務中に怪我をしたので、労災保険を適用して欲しいと言われました。自宅で勤務していた場合でも、労災保険が適用されるのですか。
回答:
在宅勤務中であっても、業務遂行性と業務起因性が認められる場合には、労働保険が適用されます。
「情報通信技術を利用した事業場外勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン」(※1、※2)では、在宅勤務を含むテレワークを行う従業員に対しても労働者災害補償保険法(いわゆる「労災保険法」)が適用されるとされています。したがって、業務遂行性(労働者が労働関係のもとにあった場合に起きた災害であること)と業務起因性(業務と負傷や疾病等の間に一定の因果関係があること)が認められれば、労災保険法の適用があります。
例えば、自宅で所定労働時間にパソコン業務を行っていたが、トイレに行くために作業場所を離席した後、作業場所に戻り椅子に座ろうとして転倒したような事案では、業務遂行性と業務起因性が認められ、労災保険が適用されると考えられます(※3)。
在宅勤務の場合、一人で仕事を行うことが大半であると考えられるため、いつ、どこで、どのような状況で災害が発生したかを把握することが困難になりがちです。企業としては、始業時や終業時、休憩時間の開始時や終了時に報告をさせて勤務時間を把握したり、勤務場所を限定したりする等の対応をして、従業員の勤務状況を可能な限り把握しておくことが望ましいです。
※1 情報通信技術を利用した事業場外勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン
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