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労働契約内容の明示と具体化

就業規則を労働基準監督署へ提出するのに先立ち、労働者の中から最年長の者を代表者として指名して、意見を聴こうと思っています(労働組合はありません)。それでよいでしょうか。

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更新日:2020.05.14

ご質問

今般、当社では就業規則を作成しましたが、労働基準監督署へ提出するのに先立ち、労働者の代表者の意見を聴かなければいけないと知りました。労働者の中から最年長の者を代表者として指名して、意見を聴こうと思っています(労働組合はありません)。その者は労働者の中でも信頼されているので誰も文句は言わないと思います。それでよいでしょうか。

回答:

 会社が労働者の代表者を指名することは不適切です。

 就業規則の作成・変更や36協定の締結など、会社が労働者の過半数で組織する労働組合又は(左記の労働組合がない場合)労働者の過半数を代表する者の意見を聴く等しなければならない局面がいくつもあります。

 この労働者の過半数を代表する者というのは、労働者の側において民主的に選出(法に規定する協定等をする者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法)された者であることが必要で、次の者は代表になれないと定められています(労働基準法施行規則第6条の2第1項)。


➀ 労働基準法(第41条第2号)の監督管理者

② 使用者の意向に基づき選出されたものでない

 上記の①の者は会社(経営者)に近い者であり、②の者は会社の息がかかった者の可能性があることから、いずれも労働者の代表に相応しくないために、労働者の過半数を代表する者になることができないとされています。

 ご質問の場合も、②に該当しますし、最年長の労働者ですと立場が①に該当することもあるでしょうから、労働者の過半数を代表する者として相応しくありません。

 実際には、会社が指名した者を労働者の過半数代表者としていることは多くみられます。そのような者を代表とした場合には、就業規則の作成・変更その他の各種の手続きにおいて、必要となる手続きをとっているといえず、いざ労働問題が生じた場合に、会社が不利な立場に置かれることがあり得るので、適切なものが代表となるようにすべきです。

労働契約内容の明示と具体化に関する労務等、いつでもお気軽にご相談ください。

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