新型コロナウイルス感染症の影響により業務量の少ない日があります。従業員の労働時間を短縮し、その時間は有給休暇の取得として処理することはできますか。
更新日:2020.05.15
ご質問:
新型コロナウイルス感染症の影響により業務量の少ない日があります。従業員の労働時間を短縮し、その時間は有給休暇の取得として処理することはできますか。
回答:
労働時間を短縮した場合にその時間を事業主側で一方的に有給休暇として処理することはできません。時間単位の有給休暇制度を採用し、労働者からの申し出があれば短縮した時間について有給休暇の取得として処理することができます。
年次有給休暇は、労働者の心身のリフレッシュを図ることを目的として1労働日を単位(日単位)として付与されます。ただし、労使協定を締結した場合に1年間に5日を限度として、労働者が請求した場合には時間単位で年次有給休暇を付与することができます。この労使協定においては、時間単位の有給休暇を与えることができる労働者の範囲や時間単位の有給休暇の日数、時間単位年次有給休暇1日の時間数などを定める必要があります。
この時間単位の有給休暇は2019年4月から義務付けられている、年5日の年次有給休暇の確実な取得(取得の義務化)の対象にはなりませんので、時間単位での有給休暇取得日以外で年間に5日間年次有給休暇を取得させる義務があります。
また労使の合意があれば、半日単位で年次有給休暇を与えることも可能です。
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