従業員が、新型コロナウイルスの感染が怖いので当面の間は休みたいと言ってきました。この場合、賃金は支払う必要はないと考えてよいですか。
更新日:2020.04.15
ご質問:
従業員が、新型コロナウイルスの感染が怖いので当面の間は休みたいと言ってきました。業務上、出社して仕事をせざるを得ないのですが、このような状況では、従業員の申出も理解できるので受け入れたいと思います。この場合、賃金は支払う必要はないと考えてよいですか。
回答:
使用者からの指示ではなく、労働者自らの申し出により休暇を取得する場合、年次有給休暇や(就業規則上に規定されていれば)特別休暇などの制度を利用しない限り、原則として使用者から労働者に対する賃金の支払義務は発生しません。
他方で、使用者は、特に配慮を必要とする労働者に対して、労働時間等の設定に配慮することとされており(※1)、労働者との話し合いによって、休業の場合の手当てを支給するよう就業規則を改定する等の措置をとることが望ましいと考えられます。
新型コロナウイルス感染症の拡大防止の一環として、使用者が労働者に対して一定の休業補償を支給した場合には、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされたものとして、雇用調整助成金の助成対象となり得ます(令和2年4月1日から同年6月30日までの期間は雇用調整助成金の特例が拡充され、助成の要件も緩和されています(※2))。
※1「労働時間等見直しガイドライン(労働時間等設定改善指針)」平成20年厚生労働省告示第108号
※2「新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ雇用調整助成金の特例を拡充します」
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