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身元保証人

横領した従業員の身元保証人から被害額の全額の賠償を受けることはできるのでしょうか。

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更新日:2025.06.05

ご質問

 当社は、中古自動車車の買取や販売を業とする会社です。

 先日、当社の営業担当者の従業員が、顧客から受け取った自動車の売買代金を横領していることが発覚しました。当該従業員は、ギャンブル依存症でサラ金から借金をしているそうで、当社が被った被害額を賠償することはできそうにありません。

 当該従業員には身元保証人がいるので、身元保証人に被害額の賠償を請求しようと考えているますが、当社は、被害額の全額の賠償を受けることはできるのでしょうか。

結論:

 被害額の全額の賠償を受けることができない可能性があります。

解説:

 
 身元保証人の責任は、従業員の監督に関する使用者の過失の有無、身元保証人が保証をするに至った理由、身元保証人が保証をするときに用いた注意の程度、従業員の担当業務などの変化、その他一切の事情を総合的に勘案して決定することになります(身元保証ニ関スル法律第5条)。

 裁判例では、水道料金収納事務受託者の従業員が水道料金を横領して、身元保証人の責任が問われた事案において、横領行為を未然に防止することができず、また発見が遅れたのは使用者が指導監督を懈怠した事情を考慮し、身元保証人の責任を軽減した事例(仙台高判平成4・4・17日判時1443号68頁)があります。

 また、貴金属販売業者の従業員が宝石の入った鞄を持って営業中に盗難にあい、身元保証人の責任が問われた事案において、身元保証人になった経緯、身元保証人の収入状況や資産額等を考慮して、身元保証人の責任を軽減した事例もあります(東京地判平成6・9・7判時1541号104頁)。

 このように、裁判所は、実際の事例において、身元保証人の責任を相当に限定していますので、今回のご相談でも、身元保証人から被害額の全額の賠償を受けることは難しいと考えられます。

 身元保証人に全額の賠償を求めるためには、身元保証契約の締結の際に、身元保証人の意思を直接確認したり、従業員が非違行動を起こさないための管理体制を整える等、会社の落ち度をできる限り少なくする必要があります。

身元保証人に関する労務等、いつでもお気軽にご相談ください。

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