新型コロナウイルス感染をおそれた従業員が出勤を拒否しています。出勤を命じることは可能でしょうか。
更新日:2020.05.15
ご質問:
新型コロナウイルス感染症が拡大したことで、感染をおそれた従業員が出勤を拒否しています。当社の業務は在宅勤務で対応することが困難であるため、当該従業員に出勤するように命じたいのですが、出勤を命じることは可能でしょうか。
回答:
労働者は、使用者の指揮命令に従って誠実に労働する義務を負っておりますので、使用者が労働を拒否する労働者に対して出勤を命じることは可能です。ただし、労働者の労働義務に対して、使用者は、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるように必要な配慮をする義務(安全配慮義務)を負っておりますので、労働者が安全を確保しつつ労働することができるような労働環境を整えていることが前提となります。
そのため、新型コロナウイルス感染症が拡大している状況において、出勤を拒否する従業員に労働者が出勤を命じるためには、従業員が新型コロナウイルス感染症に感染するリスクを可能な限り排除した環境を整えることが必要となります。そのような環境を整えずに労働者に出勤を強制した場合、使用者の安全配慮義務違反を問われる可能性がありますので注意が必要です。
当事務所の業務の中心は企業法務です。企業法務の中でも労務関連分野は、法律の制定や改正、経済の動向や社会情勢の変化の影響を受けやすいため、最新の事例を踏まえた柔軟な対応を求められます。
当事務所の弁護士や社会保険労務士、司法書士は、労務分野の諸問題に積極的に取り組んでいます。
何らかのトラブルや問題を抱えておられる方は、いつでもお気軽にお問合せください。
よく読まれている記事
- 小学校が休業となっているので、従業員が子供の面倒を見るために仕事を休むことになり...(2020.04.15)