新型コロナウイルスの感染防止のために、労働時間を当面の間は短縮することにしました。この場合、短縮した分の賃金は払う必要はないと考えてよいですか。
更新日:2020.04.15
ご質問:
新型コロナウイルスの感染防止のために、労働時間を当面の間は短縮することにしました。この場合、短縮した分の賃金は払う必要はないと考えてよいですか。
回答:
労働者からの申し出ではなく、使用者の指示で労働時間を短縮した場合、短縮分の賃金を払う必要が生じる可能性があります。
まず、使用者の故意や過失などの事由によって労働時間を短縮した場合、労働者は短縮分の賃金全額を請求できるとされています(民法第536条第2項)。
他方、使用者の故意や過失などの事由がなくとも、使用者側の事由によって労働時間を短縮した場合(天災事変が起きた場合などの不可抗力による場合は含まれません)、労働者は短縮分の賃金について、休業手当として、平均賃金の100分の60以上を請求できます(労働基準法第26条)。
短縮した分の賃金の支払義務及び支払額については、これらの規定を踏まえて個別具体的な事情に応じた判断がされることとなりますが、使用者の指示で労働時間を短縮した場合には、その原因や経緯等の事情によって、短縮した分の賃金について、全額又は100分の60以上の賃金を支払う必要が生じる可能性があります。
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