新型コロナウイルスの影響で受注も売り上げも大きく減少しています。一部の従業員を解雇したいと思いますが問題ないでしょうか。
更新日:2020.04.15
ご質問:
新型コロナウイルスの影響で受注も売り上げも大きく減少しています。一部の従業員を解雇したいと思いますが問題ないでしょうか。
回答:
労働契約法では、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」(労働契約法第16条)と定められているので、客観的に合理性を欠く場合や社会通念上相当であると認められない場合は、法律上問題があります。
本件のようないわゆる整理解雇の場合、4つの要素(①人員整理を行う業務上の必要性があるか、②解雇を回避するための努力をしたか、③解雇の対象となる従業員の選定に合理性があるか、④解雇にあたって従業員や労働組合と誠実に協議や説明の機会を設けたか)を基準に有効性を判断するため(東京高裁昭和54年10月29日東京高等裁判所判決時報民事30巻10号259頁)、それぞれの要素について説明できるようにするとともに、その根拠となる資料を準備することが望ましいです。
また、適法に解雇する場合であっても、少なくとも三十日前に解雇の予告をするか、三十日前の予告をしないときは三十日分以上の平均賃金を支払わなければなりません(労働基準法第20条第1項本文)。
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